日本職業・環境アレルギー学会

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学会概要

学会概要

 

  1.  日本職業・環境アレルギー学会は、我が国における職業・環境に起因するアレルギー疾患の新たな症例の発見、疫学調査、基礎的・臨床的研究、治療法の開発、予防などの進歩・発展に寄与するとともに、社会への啓蒙を目的としています。

     本学会は、1970年に職業アレルギー研究会として発足しました。当時は多くの新しい職業性アレルギー疾患症例が報告され、職業性アレルギー疾患研究の黎明でありました。1993年には、日本職業アレルギー学会として学会化し、2002年より環境問題への関心の高まりから職業性アレルギー疾患だけでなく、広く環境中のアレルゲンに起因するアレルギー疾患も基礎的・臨床的に追求する学会として「日本職業・環境アレルギー学会」と改名し、今日まで発展してまいりました。

     今まで多くの職業性アレルギー疾患の発見、研究を行ってきました。特に1951年に報告されたコンニャク喘息や1962年に報告されたホヤ喘息では、症例の発見、疫学研究、治療法の開発、予防を行い、現在はその発症がほとんどみられなくなりました。

     さらに職業性アレルギー疾患は、重篤化すると患者は職を失い社会的・経済的に困窮する場合があるため、早期に診断し適切な治療と予防対策を講じることは、職業性アレルギー疾患のコントロールや予後改善に極めて重要です。そこで、職業性アレルギー疾患に対して診断・治療・予防の標準化が必要との要望から、2013年に医療従事者を対象として「職業性アレルギー疾患診療ガイドライン2013」を、本邦で初めて刊行し、2016年にはその改定版を出版いたしました。このガイドラインの要約は、アレルゴロジーインターナショナルに英文でも発表され、世界からも注目されております。

     さらに活動の一貫として年1回の学会・総会、年2回の学会誌(日本職業・環境アレルギー学会誌(Occupational and Environmental Allergy, OEA))を刊行しておりOEAはすでに26巻に及んでおります。

     会員数は約300名、構成会員は内科・耳鼻科・皮膚科医、産業医、衛生学や公衆衛生の専門医など多岐にわたっております。

     近年、各種産業の発展・複雑化とともにアレルゲンや刺激物質の増大・複雑化が指摘され、これらに起因するアレルギー疾患も複雑化し、それへの対応が急務とされております。社会における本学会への期待も大なるものがあると考えます。関係諸氏の本学会への御参加・御支援をよろしくお願い申し上げます。


  2. 2020年4月1日
    日本職業・環境アレルギー学会理事長 土橋邦生